日本人はお金が好き

https://news.livedoor.com/lite/article_detail/20355974/

若者は変わりつつある、でも…

確かに、日本人の莫大な個人金融資産は、ほとんどが預貯金として保有されている。

だが、それは日本の資産の大部分を所有している高齢層の話であって、若者は少なからず変化しているように感じる。

なぜなら、若い世代は、ネット証券の台頭により証券取引やFXは以前より格段に身近なものになり、iDecoやNISAによる積立の優位性も浸透してきた時代に生きているからだ。

記事では、日本経済を活性化させるには、日本人がお金好きであることを是正する必要があるかのように論じられているが、問題の本質は、余裕資金が高齢層に偏在していることだと思う。

 

バブルと失われた30年

1989年を頂点としたバブルを享受した世代は、今や50代以上だ。

そして、日本においては50代以上の高齢層が日本の個人資産の多くを所有してしまっている。

これは、生産活動を担う世代のほとんどがバブルを知らないことと、相対的に個人資産の少ない層であることを意味している。

だから、日本人がお金好きだと言ってもそれは、「日本人のうち余裕資金のある高齢層が」お金好きと言っているに過ぎない。

 

生活への不安は無視できない

一般的に、年齢を重ねるにつれ、多少のリスクを伴う株式投資に資金を回すことは、難しくなる。

この考え方に基けば、いくらバブルの熱狂を知っている50代以上であっても、預貯金の比率が高まることは、自然なことだ。

そのため、世の中にお金が回し始めるためには、40代以下の若い世代が余裕資金を投資に回すことが重要となる訳だが、現状としては残念なことに、若い世代はそもそも余裕資金がないか、現状や将来の生活に不安があり投資に慎重になっている。

解決すべき課題は、若い世代に余裕資金ができること、生活の不安を払拭することの2点だ。

 

若い世代は働いているが報われていないだけ

生産性の低さが指摘される昨今であるが、バブル期は生産性が高かったから好景気だった訳ではあるまい。

多くの金融資産が、賃金として当時人数の多かった若年層に転移していったからだ。

そのため、今後日本経済が再び上昇に転ずるためには、高齢層の保有するくさんの資産が、相対的に投資に積極的になれる若年層に対して転移する必要がある。

これを実現するために、政府が大手術を敢行するとは思えないが、あと20年もすれば高齢層の多くは自然と退陣するので、それに伴い富の移転も発生し、日本経済も上向くと予想する。

その20年が長いけれど。